旅6 (2018/06/09 noteより)
その日の夜、叔母がきた。父の妹だ。
みんなでご飯を食べて、父と叔母は軽く、祖母のことについて話し始めた。
週一でもヘルパーさんに来てもらおうか、光熱費の振り込みを全て引き落としにしようか、など。
私は別室に行き、チェロを弾いたり仕事の連絡をしたりしていたら、眠ってしまった。
いまは週に二日、叔母が祖母の家にきて、話したり、食材や日用品の補充、管理をしたりしている。嫁ぎ先のお家のこともし、仕事もして、合間に来ているので、単純に疲れるだろう。
少しして目が覚めて、リビングに降りたら、叔母は先に眠ったようだった。
父に、お風呂に入るか聞いて、沸かす。祖母の家のお風呂は、自動で止まらないので、何回か見に行かなければならない。
外は雨が降っている。秋田は大変なことになっているらしい。大丈夫だろうか。
祖母が、「詩織ちゃん、勝ったよ〜。囲碁だがなんだかの中学生。」と言う。藤井七段だ。すごい。素晴らしい。でも、将棋だよ、おばあちゃん。
先にお湯をもらい、父にお風呂が空いたことを伝える。
祖母はテレビを見ながら、この監督は悪い顔をしているけど、悪い監督じゃないんだなぁ、と、また笑った。
翌朝、父に起こされる。
なんだなんだと思ったら、みんなで出かけるらしい。出かける準備をして降りたら、誰も出かける準備をしていなかった。
祖母と叔母が準備をするあいだ、父と一緒に、近所に住む遠縁の親戚に会いにいったら、大きくなったねと驚かれた。
この歳で大きくなったと言われるのもこそばゆいが、二十歳を超えてからも3cmほどは背が伸びているので、強ち間違いではない。
水草ガレイを大量にもらう。
家に戻り、祖母と叔母も車に乗り、鰺ヶ沢へ。雨が強い。
祖母も、ゆっくりゆっくり歩き、色々なものを見て回る。私も自分で買いたいものをいくつか買い、色々と見て回る。
各々の買い物が終わり、みんなで帰ろうかとなっていると、隅のほうに、少し大きなわさおのねぶたがあった。
祖母が、写真を撮りたいという。よく聞けば、詩織ちゃんと一緒に写してほしいとのことだった。
祖母と私と、叔母も並び、父が撮った。
つづく