旅10 (2018/06/11 noteより)
新大阪に着くと、人がどっと降りた。サラリーマン、OL、学生。当たり前といえば当たり前だが、みんな関西弁だ。
そしてみんな、エスカレーターの右側に並ぶ。
おお、関西に来た。だらだらと電車に乗っているだけで関西に来た。すごい。
あとで気が付いたが、関西を過ぎるとまた、みんなエスカレーターの左側に乗っていた。無意識にずっと、西日本はみんな右側に乗るんだと思い込んでいたので、逆に驚いた。なんでだ、なんで関西だけ右なんだ。
改札から出ようとして、東京からICカードで乗り込んだことに気がつく。生活圏内の癖で、何も考えずにICカードをタッチして、ここまで来てしまった。
「すみません、東京のほうからICカードで乗り込んでしまったのですが、出られますか?」
「新幹線の切符はお持ちですか?」
「すべて鈍行で来ました。」
なんとも言えない顔をされた。
「では、こちらで計算してICカードから引いておきましたので、このまま改札を出てください。次は切符を買ってください。」
優しく対応して、出してくださった。
実は、みどりの窓口が開いているようなら、「○○駅〜○○駅まで、在来線の乗り継ぎで切符を買いたいのですが…」というと、完璧な切符が手に入る。しかし、残念ながらこの方法を知るのは、数日後である。
少し離れたホテルに着いたのは、19時過ぎだった。チェックインをして、とりあえずシャワーで汗を流す。ようやく、ホッとした。
ふと、おなかが空いていることに気が付き、とりあえず外に出てみる。少し歩いてまわり、おそらくチェーン店であろう定食屋さんに入ってみた。
記憶が確かなら、鶏からと夏野菜の甘酢あんかけ定食のようなものを頼んだと思うのだが、その甘酢あんかけが無駄にしょっぱい。ほのかにたこ焼きソースの味にも近い。さすが大阪。なんでもたこ焼きの味なのか(偏見)。
あんかけを落としながら食べたのだが、それでもしょっぱかったので、お代わり無料ごはんの恩恵にあずかった。まさかのタイミングで、粉もんをおかずにご飯を食べる疑似体験ができた(偏見)。
おなかいっぱいになり、コンビニに寄るも、ホットのブラックコーヒーが見つからず、ホテルに戻る。
お湯をためて、浸かる。やっぱり洗顔料を持って来ればよかった。
髪をかわかして、パタリと眠ってしまった。
つづく