ひとりごと、めだか
ビルエバンスのピアノトリオを、たまに、聴く。
スマホやPCのスピーカーで聴いているせいなのか、ベースがほとんど聞こえない。
そもそも、わりと音の小さなベースだと思うけれど、それにしても、あれ?鳴ってる?弾いてない?弾いてないっぽいかな?、と思うと、ピアノやドラムがスッと抜けた瞬間に、ちゃんと居たりする。
ふと、むかし飼っていた、めだかを思い出す。透明な容器で買っていた、ちいさくて透きとおった、めだか。
金魚とは違い、探さないと見つからない。
たまに、完全に存在を忘れていることもあって、ふと思い出して見てみると、水草の陰にちゃんといる。たまに、スイスイと気持ちよさそうに泳いでもいる。小さいながら、生きていた。
私が水を替え忘れても、母がやってくれていたんだろうな。
そして、ある暑い日に、容器から飛び跳ねたのか、出窓でのうえで薄く乾いて、動かなくなっていた。
あの、音の小さなベースに、スイスイと泳ぐめだかが、たまに見える。飛び出さずに、スイスイと。